・筋出力アップと神経伝達
スポーツのパフォーマンス向上を目指す上で必要なことは、『筋出力アップ』と『神経伝達』です。
筋力がいくら発達していても、実際の競技をする中でうまく使いこなすことができなければ意味のないものになってしまいます。
身体の全体的な筋力アップももちろん大事なことですが、すでに備わっている筋肉をうまく使う(=力を出し切る)ための身体の環境を整えることが重要です。
筋出力をアップするためには、筋肉がニュートラルな状態であることが前提条件となります。
ニュートラルとは中間的なポジションを意味し、筋肉にとって負担の少ない(過緊張も過緩和もしていない)状態を指します。
- ニュートラルポジションを知る
- ニュートラルポジションから各関節や筋肉がどう動くべきか、どのくらい動けるのか(可動域)を知る
- 筋肉を思った通りに動かせるようになる(=脳の指令が正確に筋肉まで行き届く)
このように神経伝達をしていくことによって正しく効率の良い運動パフォーマンスが成立します。
その結果、パフォーマンスが向上しタイムアップやスキルアップにつながっていくと考えています。
・重力が与える筋肉への影響
トレーニングを効率よく行うためには、できるだけ実際の競技の姿勢や体勢に近い環境で行うことが必要です。
例えば、以下の写真のように動かした時に主に機能するのはどこの筋肉でしょうか?
この場合は『背筋』が主に機能しています。
では次の写真はどうでしょうか?
この場合は『腹筋』が主に機能しています。
寝ている状態と立っている状態では、同じ動作(身体を反る)をしても同じ筋肉が使われないということが分かります。
これは重力による違いがあるためです。
1枚目の写真は重力に抗って身体を反っているため、単純に背筋が機能します。それに対し、2枚目の写真は重力に従って身体を反っているため、これ以上身体を反ることによって後ろに転倒してしまわないように腹筋が機能することになります。
こういった身体の状況によって使われる筋肉が異なることを理解した上で様々な運動(エクササイズをしていくことが効率的な手段と言えます。