膝の痛みは、膝を固定している周りの靭帯(骨と骨をつなぐ組織)の状態が深く関連します。
靭帯が過緊張していたり、損傷していたりすると、身体の情報(膝の曲がり具合など)を脳が正確に認識することができなくなります。
その結果、膝の運動のコントロールも難しくなります。
↑↑上記写真は、膝周辺の靭帯の感度を上げる為のトレーニングをしている光景です。
膝は日常生活の中でも歩行に深く関わってくる為、重要な関節のひとつと言えます。
姿勢保持をする上でも膝の状態は大切であり、またその状態をしっかりと脳で認識できることが膝の不調を無くしていく第一歩となります。
①膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
主にジャンプ競技に多い疾患です。
- バスケットボール競技
- バレーボール競技
- 陸上競技(跳躍系種目)
- 競泳競技(スタート)
- サッカー競技
などが挙げられます。
キックなどの動作による大腿四頭筋のストレスが原因であることが多いですが、太もも裏(ハムストリングス)のかたさが原因のこともある為、痛みの根本を探ることが必要です。
膝周辺の状態を含めて確認・評価し、ストレスを除去していくことが痛みの改善につながっていきます。
②タナ障害
タナ障害とは、膝の屈伸時に膝のお皿と大腿骨に存在する膜がはさまれることで、痛みを生じる疾患を言います。
この場合、膝の関節運動(屈伸など)が起きると痛みを生じてしまうので、関節運動を起こさないようにトレーニングを再開していくことをオススメします。
痛みが緩和してきたタイミングで徐々に関節運動を含めたトレーニングを取り入れていきます。
痛みがある状態で無理に動かすことは、逆に悪化する可能性が高いので気を付けないといけません。
③半月板損傷
半月板とは、膝周辺(大腿骨と脛骨間)にある軟骨です。
膝にかかる荷重ストレスを分散したり、衝撃を吸収する役割があります。
屈伸運動などの膝の酷使により、炎症・損傷を起こすと痛みや引っ掛かりを感じることがあります。
膝の負担を減らしていく為に、膝を取り巻く靭帯の感度を上げていくことは不可欠です。また、股関節や足首の動きを良くしていくことも痛みの緩和につながっていきます。
【施術方法】
例えばジャンプ動作をした場合、膝が曲がった状態で着地するのか、膝が伸びた状態で着地するのか。
もちろん、膝が曲がった状態で着地した方が、様々な関節に及ぼすストレスは軽減されます。
膝が曲がるタイミング、そしてどのくらい曲げるべきなのか、そのあたりがポイントです。
曲げすぎることで、逆にストレスを大きくしてしまう可能性もあります。
- 膝の痛みがある場合は、関節運動をなるべく起こさない中で行っていく
- 膝のストレスがどの動きから生じているのかを評価する
- 股関節や足首など周囲の関節も含めて動きを習得する
- 靭帯の感度を上げ、膝がどんな状態なのかを瞬時に判断できるようになる
- 下肢の筋力UP
特にジャンプ競技などにおいては膝の動きが大切と言えます。
脳が瞬時に判断し動きをコントロールできるよう、以上のような項目から適宜選択し、施術を行っていきます。